サイリウムハスクの3つの効果とは?ダイエットにいいってホント??
サイリウムハスクという成分を聞いたことがあるでしょうか?ダイエットにサイリウムハスクが非常に効果があるとして、近年非常に人気の高まっています。
そこで、このページにはサイリウムハスクのダイエット効果や副作用、摂取方法についてまとめてみました。サイリウムハスクが気になる人は、是非このページを参考にしてみてくださいね。
・サイリウムハスクとは?
・サイリウムハスクの効果
・サイリウムハスクの副作用
・サイリウムハスクとオオバコの違い
・サイリウムハスクの摂取方法
※知りたい情報が決まっている方は、下のContentsを開いてジャンプして下さい↓
Contents
サイリウムハスクとは?
「サイリウムハスク」とは何でしょう。耳慣れない響きの言葉だと感じる人も多いでしょう。何かのお薬の名前でしょうか? それともお菓子の名前?
サイリウムハスクはオオバコ(英語でサイリウム:psyllium)の種の皮の周りを包む皮(英語でハスク:husk)のことです。
サイリウムハスクは食物繊維を豊富に含んでおり、消費者庁が「おなかの調子を整える」、「コレステロールを低下させる」という2つの健康効果を認めた注目の機能性食品なのです。
「サイリウムハスク」の原材料であるオオバコは日本のオオバコでなく、インド原産のブロンドサイリウム(Blond psyllium)が専ら使われます。
サイリウムハスクを細かく砕き粉状にし、これに別のものを加え食べやすくしたもの、あるいはサイリウムハスクを熱水で抽出したエキスが商品化されています。
たとえば日清食品の「サイリウムコーンフレークセサミスイート」、フィブロ製薬の「ゼリージュースイサゴール アセロラ味」、ヤクルトの「カラダ計画コレステミンアセロラ味」などはサイリウムハスクを有効成分とする特定保健用食品(トクホ)です。また、日清食品が自社通販サイトで販売している「Deruno FIBER SMOOTHIE」は「お通じの回数や量を増やす便通改善機能」として国に認められた機能性表示食品です。
あとで少し紹介しますが、これら以外にもたくさんのメーカーがサイリウムハスクの高い機能性に着目して商品開発を行っています。ちなみにサイリウムハスクを温水・熱水で煮ることで抽出できる粘性のあるサイリウムシードガムは特定保健用食品の原材料として使われるだけでなく、増粘安定剤としても使われています。
サイリウムハスクの効果
サイリウムは日本で表示が認められている整腸作用、コレステロール低減作用を始め、さまざまな健康効果が知られています。今からそれらを見ていくことにしましょう。
サイリウムハスクの効果①整腸作用
サイリウムの原産地、インド・スリランカ地方の伝統医学アーユルヴェーダでは古来、便秘を解消するための治療薬としてサイリウムを使ってきました。長年使われてきた歴史・実績が示すように、サイリウムハスクが人に及ぼす最大の健康効果は整腸作用にあります。
食物繊維であるサイリウムハスクは胃や小腸で吸収されずに大腸に到達します。サイリウムハスクは水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維をバランスよく含んでおり(マルチファイバーと言われます)、これが大腸に到達すると、腸内細菌によって分解されて自らの特性を活かしたはたらきをしていきます。
サイリウムハスクに含まれる不溶性の食物繊維は、大腸内で水分を吸収して何十倍にも大きく膨らみ、大腸を強く刺激します。一方でサイリウムハスクに含まれる水溶性の食物繊維は水分を吸収することで粘性の高い液体となって便に粘着性を与えて柔らかくして、便の流動性を高めます。サイリウムハスクの食物繊維たちのこうしたはたらきにより排便が促されていくのです。
同時にまたサイリウムハスクの食物繊維は水溶性のものも不溶性のものもビフィズス菌などの善玉腸内細菌のエサになります。その結果、善玉菌が増えて腸内環境を整えるので、サイリウムハスクは、腸内細菌であるプロバイオティクスが活躍する環境を作る「プレバイオティクス」としての役割も果たしていると言うことができます。
サイリウムハスクの整腸作用については。サイリウム研究で有名な米国のMcRorie JW博士が1998年に行った試験があります。これは慢性便秘の被験者170人を対象に、サイリウムハスクと下剤(ドキュセートナトリウム)を2週間飲んでもらい、どちらが便秘に効くかという試験で、下剤を使った人よりも、サイリウムハスクを摂取した人の方が多量の水分を含む多量の便が出たことが確認されました。
出典:Aliment Pharmacol Ther. 1998 May;12(5):491-7.
日本では実践女子大、姫路工業大学、日清食品が共同で1999年に女子学生17名を対象に4週間サイリウムを摂取させ、便通回数や排便量を観察した研究を実施したところ、被験者の便通回数、排便量がともに増加したことを確認し、「サイリウムの便性改善作用が確認された」という報告をしています。
出典:Nippon Shokuhin Kagaku Kaishi Vol. 46, No.11, 704~709.
関西医科大学とフィブロ製薬が便秘症の女性15人を対象に行った共同研究でもサイリウムハスクの摂取で、便量、排便回数が増加し、便性も軟化したが下痢はなく、便性改善効果が見られたことを確認しました。フィブロ製薬はこの報告を踏まえて厚生労働省に申請して、トクホ取得につなげています
出典:http://684.jp/date_rinsho/isgaol_report.pdf)。
サイリウムハスクの効果②コレステロール低下作用
サイリウムハスクの整腸作用と並ぶもう一つの重要な摂取効果として、コレステロール低下作用があります。
サイリウムハスクに含まれる水溶性の食物繊維は小腸で水に溶けゼリー状となり、脂肪やコレステロールを自分の体にくっつけて大腸へと向かっていきます。そしてこの行程で脂肪やコレステロールが取り除かれることになります。つまりサイリウムハスクは小腸では掃除屋さんのようにはたらくわけです。
こうしてサイリウムハスクは大腸へと到達すると、今後は大腸の粘膜に棲み付き、待ち構えている腸内細菌に出会い、ようやく分解、吸収、消化されていくことになります。サイリウムハスクは分解されると、粘性の高い水溶性の食物繊維が腸管に広がり、それらが腸壁をコーティングすることになります。
その結果、大腸内を流れるコレステロールが作る液体「胆汁酸」の吸収を抑えることになります。胆汁酸とは、脂質の消化吸収をする液体なのですが、通常ですと、胆汁酸の一部は大腸で吸収されて、血管に入り込み、再び脂質の消化をするために肝臓まで行って脂肪の消化吸収のためにはたらこうとします。
それが食物繊維のコーティングというじゃまによって、大腸の壁から血管に入り込むことができずにそのまま体の外へ排出されてしまうと、体内に蓄えられているコレステロールが足りない分の胆汁酸を作るために消費され、減っていくというわけです。
さて、ここでサイリウムハスクのコレステロール低下作用を示す最新の研究をいくつか紹介していきましょう。
ブラジルの脂質異常症の子供たち(6~19歳)、50人を対象にした試験ではサイリウムハスクを8週間摂取することにより、総コレステロールとLDLコレステロールが低下したことを確認しています。
出典:Br J Nutr. 2015 Jan 14;113(1):134-41. doi: 10.1017/S0007114514003419. Epub 2014 Nov 13.
オーストラリアの健康の子供たち(15~16歳)、47人を対象にした試験でもサイリウムハスクを6週間摂取することにより、体脂肪量とLDLがそれぞれ5%程度減少したことが確認されています。
出典:PLoS One. 2012;7(7):e41735. doi: 10.1371/journal.pone.0041735. Epub 2012 Jul 27.
サイリウムハスクの効果③血糖・体重のコントロール&ダイエットにも
パレスチナの研究グループではサイリウムハスクに血糖や体重を減らす効果があることを2016年に報告しています。彼らは35歳以上の2型糖尿病患者40人を対象に、サイリウムハスクを通常の食事に加えて8週間、経過観察したところ、脂質のみならず、血糖や体重を減らし、良好な状態を維持することを確認できたそうです。
出典:Nutr J. 2016 Oct 12;15(1):86.
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現在、世界各国でサイリウムハスクの研究が行われており、今後、メタボリックシンドロームや2型糖尿病などの対策に有効であることを示す報告がいろいろと出てきそうです。
おなかで膨らむ食物繊維なので腹持ちがよいことも見逃せません。というわけで当然ダイエット効果も期待できます。
サイリウムハスクの副作用
「諸刃の剣」というと少し大げさかもしれませんが、身体によい作用や影響を及ぼすものは一方で、副作用や反作用などが起こるリスクを併せ持つものです。
サイリウムハスクは食物繊維で大腸を刺激するとともに、腸管を通過する成分の吸収を抑えるので、大腸から吸収させた薬の有効成分の吸収も抑えてしまう可能性があります。
医薬品との相互作用については、統合失調にかかっている女性が、フェルフェナジンやクエン酸リチウムなどの治療薬と一緒に便秘解消のためにサイリウムを飲んだら、リチウムの血中濃度が抑えられてしまった。てんかんの治療薬として使われるカルバマゼピンとともにサイリウムを飲んだら、カルバマゼピンの吸収が抑えられてしまったなどの報告があります。
サイリウムハスクは食品といっても、大腸、小腸などの消化管に作用する性質があります。整腸作用、コレステロール低下作用などを期待して飲むのはよいことなのですが、何か異常があれば飲むのを止めて、その後、体調が悪くなるようでしたら、すぐに医療機関を受診しましょう。持病がある人はとくに注意が必要です。薬との飲み合わせが体調不良の原因になっている可能性があります。
サイリウムとオオバコの違い
最初に紹介した通り、サイリウムハスクの原料になるサイリウムはオオバコ科に属します。これは日本に自生しているオオバコとは違うものです。世界には約200種類のオオバコがあり、これらの中のいくつかは民間薬として自生する各地で利用されてきました。
日本のオオバコはシャゼンソウ(車前草;英語ではAsiatic Plantain)とも呼ばれ、咳を抑える作用を持つ薬草として利用されてきました。
オオバコには他にもセイヨウオオバコ(英語でプランテーン;Plantain)やヘラオオバコ(英語でバックホーンプランテーン;Buckhorn plantain)という種があります。これは高さが10cm程度と低い日本のオオバコよりも大きく、60~70cmに達するものもあります。中国や欧米では咳を抑えたり、尿の出をよくしたりする薬草として利用されてきた歴史があります。
サイリウムハスクの摂取方法
サイリウムハスクのパウダーを水に溶かせて飲むのが通常の摂取方法ですが、ジュースや牛乳などに混ぜて飲むと美味しくいただけます。水分を吸収するとゼリー状の食感が出てきます。
クッキーやパンケーキに添加するともっちり感が出てきます。ハンバーグに混ぜると片栗粉を入れなくても山芋のようなふわっとした食感が出てきます。片栗粉の代わりにサイリウムハスクで麻婆豆腐を作ってもほどよいぬめりが出ておいしいとのこと。また寒天をサイリウムハスクに混ぜて水を入れてかき混ぜたらわらび餅のような食感のある食べ物が出来上がります。
こうして見ていくと糖質オフのダイエット料理にぬめり、膨らみのあるテクスチャーをつけたいというときにサイリウムハスクが役立つことがわかりますね。満腹感も得やすく、便秘解消にもよいわけですからたしかに使い勝手抜群です
とはいえ自分で材料を入手して料理するのは大変。もっとお手軽にサイリウムハスク関連食品を摂りたいと考える人は市販品を購入するとよいでしょう。
日清食品のトクホ「サイリウムコーンフレークセサミスイート」はミルクに溶かして食べるとおいしい朝の定番食品です。日清食品では「サイリウムヌードル」シリーズも出しており、これもインスタントラーメンでありながらトクホです。紀文の「糖質0g麺」もサイリウムハスク入りのヘルシー食品として人気です。
オーガランドの「フルーツグリーンスムージー」やドクターシーラボの「美禅食」などはサイリウムハスクを主成分に大麦若葉やスキムミルク、野菜・果物、黒糖などを加えたパウダー状の食品で、水や牛乳で溶かすとおいしく飲めるようになっています。
錠剤型のサプリメントではビタミン、ミネラル、ビフィズス菌や乳酸菌、オリゴ糖、サラシア、桑葉など腸内環境を整える他の成分なども配合し、より高い健康効果を狙ったものがいろいろ出ています。
おなかの調子を整え、コレステロールを低下させるはたらきのあるサイリウムハスク。水に溶かすとゼリー状になり、料理に使えば片栗粉のように使える。まだあまり知られていないサイリウムハスクですが、今後のブレイクを感じさせる、なかなか魅力的な食品素材と言えそうですね。